6.コンディションを崩す要因
「5.パフォーマンス(performance)の構成要素」で示したように,競技の本番で発揮されるパフォーマンスは,さまざまな要因によって変化します.
それでは,「ピークパフォーマンスの発揮に必要なすべての要因」である「コンディション」を崩す要因にはどのような事柄があるのかを考えてみましょう.
コンディションを崩す要因には,前述した生理的因子,心理的因子,環境的因子の3つのパフォーマンス変数の問題と,運動技能や運動体力など潜在的運動能力を左右するトレーニング変数の問題があげられます.
1.パフォーマンス変数の問題
まず,生理的因子としては,使いすぎ症候群(over use syndrome)に代表されるスポーツ障害,不意な外力によるスポーツ外傷,風邪,胃腸障害,貧血などの内科的疾患,疲労・睡眠不足,体重の増減,栄養バランスの崩れなどがあげられます.
心理的因子としては,競技会に対する不安や過度の緊張,まわりの期待などによるプレッシャー,周囲の関係者との人間関係の問題などがあげられます.
環境的因子としては,気温や湿度が高すぎたり,低すぎたりする場合など運動環境の影響や,荒れたグランドなどスポーツサーフェイスの状態の影響,そして,使用するスポーツ用具が本人に適合していない場合や水温が低すぎるプールなどスポーツ設備の問題などがあげられます.
健康推進コーディネータの皆さんが関与されることの多い信州では,冬季の気温が低くなるため,家屋内外の温度差が大きくなり循環系への負担が大きくなること,路面状況が滑りやすくなるため転倒のリスクが高くなることなど環境的因子に対する十分な配慮が必要となります.
2.トレーニング変数の問題
潜在的運動能力に影響を与える主要因は,トレーニング変数の内容となります.
これには,後述するウォーミングアップ,プレトレーニングストレッチング,クーリングダウン,ポストトレーニングストレッチング,アイシングなど,トレーニングの流れに関する自己管理の不足や,不適切なトレーニングの強度,頻度,時間や休憩の取り方などトレーニングの量的要素の問題と,トレーニング内容そのものの質的要素の問題などがあげられます.
以上のように,実際に発揮されるパフォーマンスレベルは,さまざまコンディションの問題によって左右されるため,スポーツ活動に必要なコンディションをより良い状態で安定させていくためには,運動体力と運動技能の向上による潜在的運動能力を高めるためのトレーニング変数と,パフォーマンス変数の両面から包括的にコンディショニングを計画・実践していくことが重要となります.
